ノバク・ジョコビッチ ストーリー あとがき 稀有なプレイヤー ジョコビッチの強さの秘訣と格言
テニスというスポーツを見ていると、いかに、メンタルがプレーに影響するかがわかる。勢いよく得点を重ね、勝利が目前という時に、選手のプレーが消極的になったり、ミスが増えるというシーンはよく見かけるものだ。また、デュースを繰り返す激しい接戦の後、ピンチをしのいだ選手が、次のゲームで流れをつかんで、勢いに乗ることもよくある。そういう場面を見ながら、流れが傾いたと言ったりする。
そんな中でも、今のノバク・ジョコビッチは決してぶれない。流れという枠の別次元にいる。
ウィンブルドン2015の決勝、フェデラーがピンチをしのぎ、スーパープレーを見せることもしばしばあった。観客も盛り上がる。当然普通なら流れが変わって、フェデラーが勢いにのる……そんな状況でも、ノバク・ジョコビッチは変わらない。前のゲームのことなど、全く引きずってないというように、高い守備力、攻守一体の鋭いストローク、的確なサーブでポイントを重ねていく……全くもって揺るがないのだ。錦織をして「別次元」と言わしめるジョコビッチのテニス。
その一端は、食事改善による、アレルギー克服であることは、前の記事で書いている。
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ノバク・ジョコビッチはプロに転向し、2005年に4大大会に出場し始めた。それから、数年でトップ選手の仲間入りを果たしたのである。トップ40に食い込むような選手は、年間で数百万ドルを稼ぐ。しかし、そのためには、肉体管理、栄養補給をしっかりしないとならない。なぜなら、最高レベルの選手は、時速216キロ以上のサーブ、130キロのフォアハンドで攻めてくるからだ。それに対応するには、コンディションを保たなければならないのである。
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※参考文献
「ノバク・ジョコビッチ 生まれ変わる食事」という本は、彼の強さの一端を知ることができる。彼の本のうち3分の1は、いわゆるテニスプレーヤーとしての、自伝的な内容だ。しかし、タイトルからもわかる通り、残り約3分の2は、食事に関することに割かれている。
これは、どういうことかと言えば、ジョコビッチが世界1位になる過程で、いかに食事の要素が大きかったかを物語っている。おそらく、これほど、食事に気を使い、研究している選手は、スポーツアスリートの中でも少ないかもしれない。しかし、ノバク・ジョコビッチは、食べるものが、精神や集中力に影響を与え、結果を左右することを身をもって体験してきた。
そのため、2010年に最悪の試合を経験して、2011年のウィンブルドンで最高の試合を経験する間に、ジョコビッチは、食事管理を徹底した。
例えば、朝起きて、室温の水を飲むことを日課としている。これは、東洋医学に体内時計という概念があるからだ。つまり、大腸が休息を求める時間が午前5時から7時であり、大腸が毒素を出す時間帯だから、水を飲んで働きを助けようと言う意図である。
このように、ジョコビッチは東洋医学の知識も深い。もちろん、外科手術ならば西洋医学の権威を選ぶと語るように、彼は、先入観で物事を判断せずに、自らの探求心、試みなどで、良し悪しを判断しようとするのである。
これが、彼がいう『オープンマインド』ということで、先入観を持たずに、自らの心に耳を傾けて、物事に対処していくというものなのだ。
話を戻すが、ジョコビッチの生活は、とにかく、テニス中心である。だから、テニスのために、練習、食事と同じくらい、睡眠もものすごく重要視している。瞑想の一種を取り入れたり、ヨガも取り入れて、メンタルトレーニングにも余念がない。
激しい練習、食事による体調改善と精神の安定、あくなき向上心と探究心、こういったものがジョコビッチの強さの秘訣ということになるだろう。
多くの選手が、強さをハードな練習に求める。しかし、ジョコビッチはそれだけにとどまらず、内面的な向上も重要視する。
これは、6歳の時から5年間コーチを受けたエレナ・ゲンチッチの影響もあるようだ。ゲンチッチはジョコビッチに、テニスだけではなく、学ぶことの重要性も教えた。時に詩をジョコビッチに読んで聞かせるなど、彼の幅を広げたのだ。それを、素直に聞きいれ、ジョコビッチはテニスにまい進してきた。そこからは、ジョコビッチの謙虚さもうかがえる。
現在、テニスで世界1位の座に君臨するジョコビッチの言葉からは、我々にもヒントになるようなものが多くある。
最後の彼の好きな、テニスの格言を紹介して、この記事を締めたい。
”「このゲームは一見コート上にあるラインとラインの間で行われているように見えるが、実際はお前の耳と耳の間で行われているのだ」”
ノバク・ジョコビッチ ストーリー
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