富樫勇樹 167㎝の小さなプレイヤー NBAへの道
167㎝ながら、アメリカの観客を魅了するポイントガード、富樫勇樹。彼は2014年より、バスケットボールの最高峰、NBA入りを目指して、アメリカのDリーグで日々、経験を積んでいます。このページでは、田臥に次ぐ、日本人2人目のNBA入りを目指す富樫勇樹についてまとめています。
富樫勇樹(とがし ゆうき)
新潟県新発田市出身
1993年7月30日生まれ
167㎝/67kg
ポジション:ポイントガード
所属:テキサス・レジェンズ(Dリーグ)
小学1年でミニバスケットを始める。
中学校の時には全国優勝をはたしている。また、アンダーカテゴリーの日本代表にも選出された。
中学校卒業後、ケビン・デュラントなどを輩出しているモントローズ・クリスチャン高校に留学。1年目からロスター入りして、シックスマンとして起用された。
2010年には同校の全米ランキング2位ランクインに貢献。
2011年には日本代表候補に選出された。
高校卒業後には、日本のBjリーグである秋田ノーザンハピネッツに入団した。高校の留学を後押しした中村和雄がヘッドコーチをしているのが、決断の決め手となった。
この年は、デビュー戦で15得点11アシストを決めるなど、期待通りの活躍をはたし、新人賞に選ばれた。
2013年にはほぼフル出場をはたし、1試合15アシストや、出場時間リーグ1位、リーグ1位となる7,9アシスト、得点がチーム2位の15,6点を記録。ファイナルでは、30得点5アシストを記録するなど、大活躍した。このシーズンをもって、NBAへの挑戦を表明した。
身長が低いが、それを補うだけのスピードと技術を擁する。的確なパスからアシストを決め、時には素早い攻撃からのシュートや、アウトサイドからのシュートを放つなど得点力も兼ね備えている。NBAに行くためにはフィジカルの強化が必要であり、その点を理解して、トレーニングを重ねている。
NBAへの挑戦
2014年の6月にはNBAの登竜門であるサマーリーグに参加をするため、ダラス・マーベリックスのサマーキャンプを経験。その後、日本人としては4人目となるサマーリーグ参加が決まり、5試合のうち4試合に出場。チームでは3番手のPG扱いながらも、ホーネッツ戦では11分の出場で12得点をあげた。特に第3Qのフローターショットは、その日のトップ10プレイに選出された。会場のファンからも富樫の名前が呼ばれるようになるなど、アメリカでも認知されるきっかけになった。
マブスのGMであるドニー・ネルソンも、富樫の早い成長を評価した。
この後、10月にはマーベリックスと契約を結ぶも、すぐに解雇され、マーベリックス傘下のテキサス・レジェンズに入団した。
これに対して富樫は「NBAでプレーすることは簡単ではないと思っています。ロースター入りを目指して、がんばっていきたいです」と語った。この年、レジェンズでの富樫は最高で12得点を決めたが、足首の捻挫があって、25試合の出場にとどまった。
マブスのネルソンGMは、世界各国から逸材を発掘して、NBAでプレーできる機会を与えている。田臥にサマーリーグでプレーするチャンスを与えた人物でもある。
レジェンズの球団社長は、スパッド・ウェッブといって、170㎝ながらNBAで12年間プレーした経験を持つ。小柄だが、豪快なダンクを決めることができた選手だ。
ネルソンGMはレジェンズの共同オーナーだが「うちのチームにはウェッブという小さな選手には最高の相談役がいる。ユーキに彼の経験を伝えることで、最高の選手になれる手助けになるだろう」という趣旨の発言をしている。
こういった発言を踏まえると、富樫にはNBAでプレーできる約束手形は与えられていないが、門戸は常に開いており、チャンスをものにするかどうかは、彼の成長にかかっていると言えるだろう。